
私たちの日々の生活に欠かせない「靴」。一言で「靴」と言っても通学や通勤で日常的に使うもの、フォーマルなシーンで必要となるものなどさまざまです。靴を扱う店舗も百貨店や靴の専門店、アパレルのセレクトショップなど多岐に渡ります。アパレル販売は経験したことがある人でも、靴の販売についてはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。ここでは靴販売の仕事内容ややりがい、どんな人に向いているのか詳しくご紹介します。
靴販売(シューズ販売)とは?
靴販売(シューズ販売)とは、店舗でお客様に靴を提案し、販売するお仕事です。
靴に関するニーズやお悩み、足の特徴を把握したうえで丁寧にフィッティングを行い、ぴったりな商品を紹介していくので、相談に乗って解決案を提案するアドバイザー的な 役割も含まれると言えます。
-
靴販売とはどんな仕事をするの?
靴販売のメインとなるお仕事は、接客を通してお客様の希望をヒアリングし、ぴったりの靴探しのサポートをすることです。試着をお手伝いしながら正しいサイズ、フィット感を確認しつつ、最適な一足を提案します。
-
靴はアパレル商品なの?未経験でも売りやすい?
アパレルとは衣服・服飾品全般を指す言葉で、靴やバッグ、帽子などのファッション小物も含まれます。靴販売は、快適性や機能性など靴や足に関するより専門的な知識が必要になりますが、店舗やブランドでマニュアルやトレーニング制度が充実しているので未経験でも安心して挑戦することができます。
靴販売員の仕事内容

靴販売のお仕事にはどのようなものがあるでしょうか?メインとなる業務を中心に、具体的にご紹介していきます。
-
接客
靴や足に関する悩みや希望は何か、どんな用途やデザインの靴を探しているのか、お客様とお話をしながら丁寧にヒアリングします。適切な商品をご紹介するために、仕事用なら立ち仕事かどうか、フォーマル用ならTPOに合うかなどしっかりと確認。特徴やメリット、機能性を説明しながら、お客様の希望に沿う商品を提案します。
-
フィッティング
ヒアリングに基づいておすすめの商品を紹介します。普段履いている靴のサイズを確認し、「靴ずれしやすい」といった足のお悩みや好みのフィット感をお伺いして、試着用の靴を選びます。ヒアリングで聞き取った条件から複数の靴を提案。サイズや足幅に関してもいくつかバリエーションを用意して、お客様に実際に履いていただき、フィット感や歩きやすさをチェックします。必要に応じて中敷きなどでフィット感の調整なども行います。
-
ディスプレイ
商品のディスプレイは売上や集客に直結 する重要なポイント。より多くのお客様の関心を引くために、新商品や季節のおすすめ、店舗の客層に合わせてディスプレイを行います。店舗のメインディスプレイなど、目立つ場所の陳列はお客様の来店するきっかけになるので、特に力を入れる必要があります。
-
在庫管理
店舗の売上につなげるため売れ筋商品を把握し、サイズやカラーに不足がないか確認しながら店舗在庫の発注や補充を行います。その他にも納品後の検品・管理、必要な商品をすぐに取り出せるように整理整頓しておくなどの管理業務があります。接客の印象が強いですが、このような事務的な作業も意外と多くあり、大切な業務の一つです。
-
レジ
購入商品のサイズやカラーに間違いがないか確認し、現金やクレジットカード、電子マネーなどお客様のお支払方法に応じてお会計をします。商品を丁寧に包装し、必要に応じてプレゼント用のラッピングも行います。また、自店やお店が入っている施設の会員ポイントの付与などにも対応します。
靴販売員の1日のスケジュール
靴販売の勤務は店舗の営業時間にもよりますが基本的にシフト制です。
具体的な仕事内容の一例を時系列で紹介していきます。
-
9時30分~10時
営業開始前に出勤し、オープン準備を行います。
店内の掃除、商品の陳列、在庫補充などを行います。前日の売上確認や本日の売上目標を確認し、釣銭準備などレジ業務の準備も実施。前日からの申し送り事項などもチェックします。 -
10時~12時
オープン、営業開始。
ご来店のお客様をお迎えします。
午前中は比較的落ち着いている時間帯なので、接客をしつつ、納品された商品の確認、お客様への入荷連絡や在庫補充などを行います。また、ディスプレイ変更もこのタイミングで実施することが多いです。 -
12時~14時
交代で休憩、昼食を取ります。約60分間。
-
14時~18時
接客業務をメインに行います。
混雑状況やスタッフの勤務状況をみながら、商品発注などバックヤード業務もこなします。 -
19時~
閉店業務。売上集計やレジ締めを行います。
翌日の営業に向けて、商品陳列や在庫の補充、清掃などをします。
靴販売の仕事のやりがい・メリット
私たちの日常生活に欠かせない「靴」。毎日履くものだからこそ、機能性もデザインも好みにぴったりフィットする靴選びは大切です。靴販売は、「靴」を通してお客様が日々の生活を快適に過ごすためのサポートをするお仕事とも言えるでしょう。具体的な仕事のやりがいやメリットをご紹介します。
-
お客様の靴選びをサポートできる
ぴったりの靴を履けば、歩くのが楽になり、疲れも軽減され、気持ちも前向きになります。
靴選びは生活の質の向上にもつながるため、お客様のこころと体の両方をサポートできるのが魅力です。 -
お客様に喜んでもらえる
自分に合う靴が見つからない…と足や靴に悩みを抱えている人はたくさんいます。
靴選びをお手伝いして、ぴったりの一足を提案することで、「足がラクになった」「似合う靴が見つかってうれしい」など直接お声がけくださることもあり、やりがいにつながるでしょう。 -
靴や足に関する専門知識が身につく
お客様に靴のご提案をするには、足の骨の構成や足のアーチといった構造や足幅や甲の高さなどの特徴に関する知識が必要になります。また外反母趾などの足のトラブルについても広く知っておかなければいけません。商品を通して靴の機能や素材にも詳しくなるので、足や靴に関する総合的な知識を身につけることができます。
-
靴販売の仕事の大変さ
■覚えることが多いのが大変
国内外を問わず、ビジネス、スポーツ、コンフォート領域などで目的やスタイルごとに数多くのブランドが靴を展開しています。それぞれの特徴やサイズ展開、それに加えて足に関する知識まで、覚えることはたくさんありますが、それぞれのブランドや店舗でマニュアルや研修制度が充実していることが多く、安心して働くことができます。
靴販売の仕事にはどんな人が向いているの?
靴販売の仕事は足や靴に関するお悩みを聞くことが多いので、相手の立場に立ち、細かい気配りのできる人に向いているといえるでしょう。専門的な知識も必要になるので、新しいことを学ぶ姿勢も大切です。
-
■靴・シューズ・スニーカーが好きな人
ファッション性、機能性、ものづくりも含めて、靴が好きという方は靴販売の仕事にぴったりです。
商品について学ぶことはたくさんありますが、靴が好きであれば無理なく知識を深めていくことができるので、熱意と知識をもってお客様に商品をおすすめすることができるでしょう。
■人と接するのが好きな人
足に関するお悩みや希望を丁寧にヒアリングし、フィッティングも行うので、接客時間も比較的長めになります。一人ひとりのお客様とのコミュニケーションを楽しみながら、“喜んでもらいたい”という気持ちを持って接することのできる人は靴販売の仕事に向いているといえるでしょう。
■専門知識を身につけたい人
靴販売を通じて身につけることのできる知識は多く、からだをささえる足の健康や快適な歩行をサポートする方法について実践的に身につけることができます。より専門的に知識を深めていきたいなら、足と靴のプロである「シューフィッター」の資格取得を目指す方法もあります。
靴販売の求人を探す方法は?
-
■インターネットの求人サイトで探す
自分で希望や条件を入力して求人情報を検索します。アパレル関係に強いとされる求人サイト情報取集をするのもいいでしょう。靴販売はブランドも多く、百貨店や専門店、ショッピングモールなど働く場所の選択肢も豊富なので、希望の勤務条件をあらかじめまとめておき、効率よく探せるようにしましょう。
■靴販売の求人がある派遣やアパレルに強い人材会社に登録する
人材派遣会社には幅広い情報が集まっています。自分のスキルが活かせるか、その職場に向いているかなど人材会社のスタッフが客観的な視点でアドバイスをくれるので、より多くの選択肢から自分の希望や働き方に合った職場を提案してもらえるでしょう。職場の雰囲気をあらかじめ教えてもらえるので安心して働くことができるのもメリットです。
最後に
靴販売の仕事について詳しく紹介してきました。「靴がツラくて、一日が台無しになった」という経験をしたという人も多いはず・・・。ここちよく快適な靴で過ごすことは、ストレスなく充実した日常生活を送るうえで重要なポイント。ファッションアイテムとしてのスタイリング提案だけでなく、靴を通してお客様の快適で健康的な生活をサポートする靴販売の仕事は、生活の質向上や健康志向が定着するなか、需要がますます高まっています。靴のフィッティングはもちろん、足の構造や歩行についてなど専門的な知識が身につきキャリアアップにもつながるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。